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膀胱内に尿結石が出来る事を、「膀胱結石」と言います。
ワンちゃん・ネコちゃん共に、結石が出来る事はよくありますが、特に大きな結石はワンちゃんでよく見られます。また結石が腎臓内に出来れば「腎結石」、尿道に出来れば「尿道結石」と呼びます。
ワンちゃん・ネコちゃんで一番よくみられる尿結石は「ストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)」で、顕微鏡で見ると左の写真の様な、「棺桶状」の結晶をしています。
ストラバイト結石の次によく見られるのが、左の写真の「シュウ酸カルシウム」で、これは顕微鏡で見ると様々な形で見られますが、写真の様に正方形状で見られる事もあります。
ストラバイト、シュウ酸カルシウム以外の尿結石もありますが、犬・ネコの場合多くはこの2種類がほとんどです。
これらの結晶は普段の食餌の影響が強く、また結晶の出来やすい犬種もいます。
そして尿結石が出来ると、尿道や膀胱の粘膜が傷付けられ血尿が出たり、最近の感染により膀胱炎になったりします。また結石が尿道に詰まり尿閉(尿が出なくなる)を起こす事もあります。
左の写真はM・ダックスフントの膀胱結石のレントゲン写真です。下腹部に大きな結石が白く写っています。
小さな膀胱結石の場合、症状が出ない事もあり、レントゲン撮影やエコー検査で偶然発見される事もあります。
尿結石がストラバイトですと療法食で溶ける可能性もありますが、シュウ酸カルシウムであったり、左のレントゲン写真の様にあまりに大きな結石であった場合は、手術によって物理的に取り除かなくてはなりません。
上のレントゲン写真のM・ダックスフントを手術し、摘出した膀胱結石です。
これはストラバイトの結石でした。ストラバイトの場合、左の写真の様に表面が滑らかな結石が出来る場合が多いです。
これほど大きな結石だと腹部の触診でも分かります。
こちらはシュウ酸カルシウムの結石です。表面がギザギザな形状をする事が多いです。またこのような形のため、粘膜を傷付けやすく血尿や、膀胱炎を起こしやすい傾向にあります。
また膀胱結石は、複数の種類の結晶が入り混じって出来る場合もあります。
尿結石は、普段の食餌管理によって発生を抑える事が出来ます。また結石が出来たとしても、結石の種類によっては療法食によって溶かす事も出来ます。
例え結石が出来ていなかったとしても、尿検査で結晶が出ていたり、血尿が出やすいワンちゃん・ネコちゃんは結石の出来にくい療法食に切り替えた方が良いかも知れません。
一度動物病院にご相談ください。