HOME > どうぶつ健康百科 > 猫の呼吸が苦しそう~乳び胸~

猫の呼吸が苦しそう~乳び胸~

【ペットの病気】2013.01.16

 ネコちゃんはワンちゃんと違って、呼吸が荒くなる事はほとんどありません。

 興奮して激しく動いた後などは、呼吸が速くなる事はありますが、通常では胸の動きを注意してみていないと呼吸を確認出来ないでしょう。

 

 ネコちゃんの呼吸が速かったり、荒かったり、苦しそうにしていたりした場合それは病気のサインかもしれません。特に開口呼吸や腹式呼吸など、ネコちゃんの呼吸がおかしい時は、すぐに動物病院に相談しましょう。

 

乳び胸1.jpg

 

 猫で上記の様な症状が出た場合、胸水が貯留している事があります。

 「胸水」とは胸腔(胸部の肺や心臓など臓器以外の空間)内に水が溜まっている状態の事です。

 その水が膿の場合は「膿胸」、血液の場合は「血胸」、乳び(リンパ液の一種)の場合は「乳び胸」と言います。今回はその乳び胸について説明します。

 

 胸腔内には胸管と呼ばれる、脂肪を多く含んだリンパ液(乳び)が流れる管があります。

 この胸管からそのリンパ液(乳び)が漏れ出す事が猫で時々あります。原因は外傷であったり、先天的なものもありますが、多くは原因不明の突発的なものです。

 

 乳びが胸管から漏れ出すと、左のレントゲン写真の様に、胸部全体が白くなります。こうなると肺が十分に拡張する事が出来なくなり、息をするのが苦しくなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

乳び胸2.jpg 針を刺し、採取した「乳び」です。

 苺ミルクの様な液体です。

 

 遠心分離すると乳白色の液体になります。この事からも貯留していた液体は脂肪に富んだ「乳び」である事が分かります。

 

 

 

 

乳び胸3.jpg

  沈渣を鏡顕すると、Mφや中皮細胞も見られますが、リンパ球主体の像が見られます。

 「乳び」は脂肪を多く含んだリンパ液と言うのが、ここからも確認出来ます。

 

 この乳び胸は治療する事が難しい病気です。

 開胸し胸管の損傷部分を確認し、縫合する手術もありますが、かなり難しい手術です。

 多くは針を刺して地道に抜くか、抜去用の管を設置し抜くしか方法がありません。

PAGE TOP