HOME > どうぶつ健康百科 > 犬の肥満細胞腫
「肥満細胞腫」はワンちゃんの皮膚にできる悪性の腫瘍です。
乳腺腫瘍を除いた皮膚の悪性腫瘍で、最も日常的に見られるのがこの肥満細胞腫です。また、ネコちゃんにも見られる事があります。
またこの肥満細胞はFNA(穿刺吸引細胞診)をする事で、簡単に顕微鏡検査で診断出来ます。
左の写真の様に、細胞質内に青~赤紫色の顆粒を含んだ細胞像が、この肥満細胞腫の特徴です。
因みに「肥満」と付いていますが、動物が太っている事とは関係なく、この細胞が大型である事から「肥満細胞(mast cell)」という名前が付きました。
肥満細胞腫はその外観からはなかなか診断出来ません。一般には皮下織に境界明瞭な数mm~数㎝のしこりを形成します。皮膚のどこにでも出来る可能性がありますが、四肢や体幹部に出来る事が多いと言われています。
また肥満細胞は炎症性の細胞なので、腫瘍周辺に痒みや発赤が出たり、嘔吐があったりする事もありますが、そのような症状が出ない事もあります。
そして肥満細胞腫は多臓器に転移する可能性もあります。
肥満細胞腫と診断された場合、他への転移がなければ、手術による摘出が第一選択となります。
手術は、腫瘍周辺を3㎝以上マージンを取って摘出しなければならないので、例え3~4㎝のしこりであっても、大きく皮膚を切開する必要があります。
また腫瘍が指先など、十分なマージンを取っての摘出が困難な場所であった場合、断脚(足全体の切除)する事もあります。
また抗癌剤の投与や、放射線照射などをする事もあります。