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ひも状異物による腸閉塞

【ペットの病気】2013.01.07

 異物による腸閉塞の中で厄介なものに、「ひも状異物」と言うものがあります。

 

 ミシン糸など細くて長いひも状のものを飲み込んだ場合、そのまままとまって便に交じって排泄されれば問題ないのですが、糸の端が腸管に引っかかり、腸がアコーディオン状に手繰り寄せられてしまう事があります。

 この様になってしまうと、単純な腸閉塞ではなく、腸管が裂けて腹膜炎を起こしてしまう事があります。

 

ひも状異物1.jpg

 

 左のレントゲン写真は、慢性の嘔吐があるとの事で来院した、5歳のT・プードルです。

 バリウム投与24時間後のレントゲン写真です。24時間経ったにも関わらず、胃内の食渣の滞留と、アコーディオン状の小腸が造影されています。タオル的なものを飲み込んだ場合、タオル生地はバリウム液を吸収して、いつまでも造影が残ります。

 

 

 

 

 

 

ひも状異物2.jpg 

 同じ症例の手術中の写真です。

 小腸が糸によってアコーディオン状に手繰り寄せられているのが分かります。胃内にもタオルがあり、同時に取り出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ひも状異物3.jpg 結局詰まっていたのは細く裂けたタオルでした。タオルは細くひも状に裂けるので、この様な症例が起きる事があります。

 

 タオルをかんで裂いてしまうワンちゃん・ネコちゃんを飼われている飼い主様は、この様な事故が起こらないよう注意しておく必要があります。

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